住宅に住む上で最も気をつける必要がある害虫被害といえばシロアリ被害です。

シロアリの被害に遭ってしまうと、住宅の軸でもある土台や柱といった木材が食べられてしまいます。

食べられた木材は耐久性を失い、住宅は耐震性が下がり、最悪の場合は倒壊に繋がります、

しっかりと予防や駆除を行うことで住宅をシロアリから守りましょう。

ここでは、シロアリの予防や駆除の方法などについて詳しく解説致します。

 

シロアリ駆除と予防消毒は何が違うの?

知らず知らずのうちに住宅の耐久性や強度を蝕んでいくシロアリ。

しかし、しっかりと対策を行うことで住宅をシロアリの被害から守ることが出来ます。

大切な住宅に少しでも長く住み続ける為、対策は万全に行っておきましょう。

 

それではシロアリ対策とはどういったことなのでしょうか。

まずに認識しておいて頂きたいことは、シロアリの予防消毒と駆除は違うということです。

一体どのように異なるのでしょうか。

 

シロアリの予防消毒や生態は?施工時期や方法、薬剤は何を使う?

シロアリの予防とは、まだシロアリが住み着いていない住宅にシロアリが住み着かないようにしたり、侵入したりしないように対策を行うということです。

また、シロアリの予防消毒を行うには、シロアリの生態を知っておく必要があります。

 

シロアリが木材を食べることで住宅の耐久性を蝕んでいくということは一般的に知られている情報だと思います。

ではシロアリの生態はどうでしょう。あまり知らない方も多いかと思います。

 

シロアリの生態とは

シロアリには住み着くのに好む環境が存在します。

まずはエサとなる木があるということ。

腐った木ではなく、まだ生きている木を好んで食べる性質があります。

 

他にも暖かい場所を好みます。

主に住宅に影響を与えるシロアリは「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類です。

「ヤマトシロアリ」は12~30℃、「イエシロアリ」は17~32℃を好むと言われております。

 

他にも湿度が高く風通しの悪いところ。

シロアリは生息する為にエサだけでなく水分が必要です。

湿気の高いところでは木材の含水率が高くなる為、木材からも水分を吸収します。

 

他にも光を嫌うということ。

 

これらの条件を全て満たしているのが住宅の床下です。

住宅の床下は、風通しが悪く湿度が常に高い状態で保たれています。

さらに木材というエサがあり、建物の影で日光があたりません。

さらに冬場は室内で暖房器具を使うと、余熱で床下も暖かい状態を保ちます。

その為、シロアリは他の害虫と違い冬眠することが無く、1年中活動を行います。

どれだけ住宅の床下がシロアリにとって適した環境なのかをご理解頂けたかと思います。

 

シロアリの侵入経路は?

ではシロアリはどのように住宅の床下へ侵入してくるのでしょうか。

住宅の床下は外部から四方を基礎コンクリートで囲われております。

シロアリは基礎コンクリートを貫通させ床下へ侵入してくるのでしょうか?

 

シロアリは基礎コンクリートを貫通させることは現実的に考え辛いです。

コンクリートに小さな穴を空ける程度は可能ですが、基礎コンクリートには厚みがあります。

その為、貫通させるというのは考え辛いです。

 

シロアリは日光を嫌い地中に潜るという性質があります。

地中を移動しながら、地上のエサを探しています。

その為、庭先から地中に潜ったシロアリがエサを探しているうちに住宅の床下の地中にたどり着き、床下の木材を目掛けて地上に上がってきます。

このように地中からの侵入が一般的なルートです。

 

しかしベタ基礎のように床下が基礎コンクリートに覆われた構造の住宅でもシロアリの被害に遭う恐れは十分にあります。

シロアリは狭い隙間に入り込むという性質もあります。

その為、基礎コンクリートと地面の僅かな隙間や、基礎コンクリートに発生したクラックなどからも侵入します。

 

さらには通気口、配管などからも住宅へ侵入してきます。

その為、シロアリの予防として、侵入経路を完全に絶つということは、住宅の設計上不可能となっております。

 

さらにシロアリが住むのは住宅の床下だけではありません。

ウッドデッキや枕木などのエクステリアにも住み着くことがあります。

さらに住み着くと急送に繁殖を行う為、ウッドデッキに住み着いたシロアリが住宅の床下にまで活動範囲を広げるといったケースもあります。

 

シロアリ被害の予防対策とは

シロアリの対策は、「シロアリの好む環境を解消する」、「シロアリの侵入経路を少なくする」、「シロアリ予防消毒を行う」「定期的な点検を行う」の4つが主な方法になります。

 

まず「シロアリの好む環境を解消する」

前述したとおり、シロアリは木材があり高温多湿の環境を好みます。

エサとなる木材を無くすことは出来ません。

その為、高温多湿という環境を解消します。

 

住宅の床下は基礎コンクリートで覆われていますが、建築基準として換気が出来るよう換気口が必ず設置されております。

しかし、換気口だけでは自然に換気を行うには不十分です。

その為、強制的に換気を行うことで湿度を逃がし、温度の上昇を抑える必要があります。

 

住宅設備として「床下換気扇」というものがあります。

床下に設置することで機械的に空気の循環を行うことが行える商品です。

それらを設置するだけで、高温多湿の環境を解消することが可能となります。

 

次に「シロアリの侵入経路を少なくする」です。

前述したシロアリの侵入経路は、地中・基礎コンクリートのクラック・配管などの隙間です。

 

その為、侵入経路を少なくするという方法として、ベタ基礎は非常に効果的です。

地中をコンクリートで覆うだけでなく、土壌からの水分を床下へ上げるのを防ぐ為、湿気がたまり辛い環境を生み出すことも出来ます。

 

他にも基礎コンクリートのクラックを補修するです。

コンクリートは性質上、自然に劣化しクラックを発生させます。

その為、都度補修を行わないといけません。

クラックを放っておくと、シロアリの侵入経路となるだけでなく。基礎コンクリートの耐久性の劣化、基礎内の鉄筋のサビや腐食、美観を損なうといった様々な症状へ繋がります。

シロアリ予防と併せて補修を行っておきましょう。

 

次に「シロアリ予防消毒を行う」です。

シロアリ予防には最も効果的な方法がこちらです。

住宅の床下の土壌、基礎内部、木材にシロアリ予防消毒剤を散布、注入することでシロアリが寄り付かない状態にします。

専門業者による施工の為、やや費用が掛かりますが最も確実性の高い予防方法です。

さらに万が一シロアリが発生してしまった場合の保険に加入することも出来る為、非常に安心ともいえます。

 

最後に「定期的な点検を行う」です。

シロアリは床下で活動を行う為、日常生活を行う上で被害に遭っているかを認識することはほぼ不可能です。

床がブカブカして抜け落ちたり、ドアの開閉がスムーズに行えなくなるような症状で被害に気が付くことはありますが、実害が起きてからでは遅いです。

その為、定期的に床下を調査点検する必要があります。

 

調査点検は専門業者により行うことが出来ます。

シロアリの被害に遭っていないかだけでなく、床下の温度や湿度の調査、基礎のクラックの有無の調査、木材の含水率、シロアリが通った跡となる蟻道(ぎどう)の有無、現在の環境に適した予防対策方法など、様々な調査を行ってくれます。

1年毎には行っておくのがお勧めです。

 

以上のようにシロアリの予防対策を徹底的に行う事で、被害に遭う確率はかなり軽減されます。

しかし、シロアリはどれだけ予防対策を行っていても被害に遭ってしまうことがあるという恐ろしい害虫です。

その為、万が一被害に遭ってしまった場合は、まず駆除を行う必要があります。

 

シロアリの駆除とは、発見したシロアリを殺害するだけではありません。

住み着いた巣の中まで殺害しないと全てを死滅させることが出来ません。

 

まず住宅でシロアリを発見した場合は、本当にシロアリかどうかを見分けて下さい。

シロアリはその名前から、身体が白いと思われがちです。

しかし実際には、シロアリの天敵ともなるクロアリと同じでシロアリの身体は黒い色をしています。

 

ではシロアリとクロアリはどのように見分けるのでしょうか。

シロアリとクロアリは身体に特徴があります。

シロアリは寸胴型の身体に対し、クロアリはひょうたん型でくびれがあります。

他にも大きさに違いがあります。

シロアリは3.5mm~と比較的体が大きいのに対し、クロアリは~2.0mmと比較的小柄なサイズになります。

しかし、これらの特徴は見比べることでわかり易いので、単体で発見した場合には少し判断が難しいかもしれません。

 

最もわかり易いのは、羽をつけた際の特徴の違いです。

シロアリ・クロアリは共に成長過程で羽を付けたり落としたりします。

シロアリの羽は前後の4枚が同じサイズに対し、クロアリの羽は前羽が大きく後羽が小さいという特徴があります。

発生時期はシロアリもクロアリも1年中ですが、クロアリは数匹で活動するのに対し、シロアリは数十匹から数百匹単位で活動を行うという違いもあります。

 

シロアリが発生した場合は専用薬剤を使用し駆除を行う必要があります。

専門業者に依頼をした場合、住宅の床下に潜り巣の場所を調査します。

そして巣の中まで殺虫剤を散布して死滅させます。

そのように殺虫剤を使用した駆除方法が最も即効性があり確実な方法です。

 

仮に殺虫剤を使用するのに抵抗がある場合は、ベイト工法という方法もあります。

ベイト工法とは、シロアリのエサとなる毒餌を設置し、シロアリに巣に持ち帰らせることで巣の中のシロアリまで死滅させるという方法です。

簡易的に行え、殺虫剤を散布しないため環境にも良いというベイト工法ですが、一方で確実性が低いことや、即効性が無いというデメリットもあります。

 

シロアリの被害は想像以上に速く進行することや、一度被害に遭ってしまった場合、補修・補強を行わないと住宅を健康に保つことが出来ません。

 

補修・補強には多大な費用が掛かることがあることや、最悪の場合は補修・補強では手に負えないという状態になってしまう恐れもあります。

少しでも被害が浅い段階で抑える為にも、早急に駆除を行うことをお勧めいたします。

 

実際に被害に遭ってしまった場合、どのような症状が発生し、どのような補修・補強が必要なのでしょうか。

日本の伝統である「軸組み工法」や、海外輸入の「2×4」などは柱や床といった木部が軸となっており、全体のバランスを取ることで成り立っています。

仮に一部でもバランスを崩すと、偏った場所に付加が掛かり続けたりするため、住宅に歪みが生じます。

そうすると床が傾いてきたり、室内ドアの開け閉めがスムーズに行えないなどの症状が発生します。

さらに被害が大きくなると、床が抜け落ちてしまったり、地震の際にバランスを崩し倒壊するといった事態にも繋がります。

 

柱や土台などが被害に遭い強度を失ってしまった場合は、補修・補強をする必要があります。

土台や柱などはリフォームによって一部入れ替えということが可能です。

しかし、場所や症状の大きさによっては、症状周辺の床を解体したり、建物をジャッキアップで持ち上げる必要があったりもします。

そういった場合は非常に高額のお金が掛かります。

 

さらにシロアリの生態として、一度住み着いた住宅の付近で活動範囲を広げていくという特徴があります。

その為、住宅街などで予防や駆除などの対策を行っていなかった場合、近隣住宅の床下にまで被害範囲が広がる恐れがあります。

結果、近隣トラブルなどに繋がる恐れもありますので、予防・駆除はしっかりと行っておく必要があります。

 

シロアリ駆除や予防の費用(料金)はどれ位?施工方法による金額の違いについて

では先ほど紹介したシロアリ予防や駆除にはどのくらいの費用が掛かるのでしょうか。

一般的な相場と合わせて紹介したいと思います。

 

まずシロアリ予防の「床下換気扇」を設置するという方法。

床下の基礎構造にもよりますが、一般的には3台ほど設置を行います。

相場は3台で\15,000程となります。

 

次にシロアリ予防の「基礎コンクリートの補修」です。

クラックの程度により費用が変動します。

シロアリが侵入してくるクラックの場合、カットシール工法という方法で補修を行うのが一般的です。

カットシール工法の場合、\3,000/m程が相場となります。

万が一カットシール工法でも補修できないほどクラックが大きい場合などは、ハイブリッド工法などを採用します。

ハイブリッド工法の場合、\30,000/m程が相場となります。

 

次にシロアリ予防の「予防消毒を行う」です。

使用薬剤により価格は変動しますが、\6,000~\8,000/坪程が相場となります。

 

次にシロアリ予防の「定期点検を行う」です。

多くの専門業者は点検であれば無償で行ってくれます。

業者によっては有料の場合もあるため、問い合わせの際に確認が必要となります。

 

次にシロアリ駆除の「殺虫剤散布」です。

使用薬剤により価格は変動しますが、\6,000~\8,000/坪程が相場となります。

 

次にシロアリ駆除の「ベイト工法」です。

こちらも使用する毒餌により変動しますが\5,000~\10,000/箇所が相場となります。

 

シロアリ駆除・予防消毒は自分で(DIY)で施工できる?

これまでたくさんのシロアリ予防や駆除方法を紹介致しました。

中にはホームセンターやAmazonで購入できる薬剤などを購入することで自分(DIY)で行うということも可能です。

 

まずシロアリ予防の「床下換気扇」を設置するという方法。

こちらは床下の基礎構造を理解し、適切な位置に設置するということや、電源を使用することから自分(DIY)で行うことは難しいでしょう。

床下に設置する除湿材などはホームセンターやAmazonで購入できる為、それらを設置することで少しは湿度を下げることは可能です。

 

次にシロアリ予防の「基礎コンクリートの補修」です。

これは軽度であれば自分(DIY)で行うことが出来ます。

先ほど紹介したカットシール工法も専用工具を購入すれば自分(DIY)で行えます。

しかし、ホームセンターやAmazonで販売されている補修剤を購入することで、さらに簡易的に補修を行えます。

 

ホームセンターやAmazonで購入できる基礎コンクリート補修材は主に「補修用パテ材」と「液体型補修材」になります。

「補修用パテ材」は粘土状のパテをクラック部にコテで塗り込むという方法です。

簡易的に行えるだけでなく、基礎の凹凸などにも対応できるというメリットがありますが、パテが入らないような微細なクラックには対応が難しいというデメリットがあります。

「液体型補修材」は中粘度の補修液体をクラックに流し込むという方法です。

こちらも簡易的に行えますが、クラックが大きいと液体が固まるまでに流れ落ちてしまうというデメリットがあります。

症状の大きさなどに注目しながら、どのような工法で補修するのが適切なのかを判断してください。

 

次にシロアリ予防の「予防消毒を行う」です。

こちらもホームセンターやAmazonで専用薬剤が販売されております。

主に「スプレー型」と「液体型」の消毒剤があります。

「スプレー型」は手の届かない範囲にまで散布をすることが出来るというメリットがありますが、目に見えない部分に施工する場合、施工漏れが生じてしまう可能性があるというデメリットもあります。

「液体型」は刷毛で直接塗りこむという施工方法です。

直接的で施工ムラや施工漏れが無いというメリットがありますが、手が届く場所にしか施工できないというデメリットがあります。

その為、「液体型」はウッドデッキや枕木などの目に見える場所、「スプレー型」は床下などの手が届かない場所、のように適材適所で行う必要があります。

 

次にシロアリ予防の「定期点検を行う」です。

こちらら自ら床下に潜るのは難しいです。

その為、外観から基礎にクラックが無いかの確認や、庭先にシロアリが居ないか、シロアリの羽が落ちていないかなどの直接的な目視程度を行うとよいでしょう。

 

次にシロアリ駆除の「殺虫剤散布」です。

殺虫剤はホームセンターやAmazonなどで購入することが出来ます。

殺虫剤はシロアリに直接施工することで効果を発揮します。

しかし、前述したとおり駆除にはシロアリの巣の中まで死滅させる必要があります。

巣の位置まで特定する必要があることや、シロアリは木の中に住み着いたりするため、完全に死滅させるのは自分(DIY)では難しいかもしれません。

 

次にシロアリ駆除の「ベイト工法」です。

ベイト工法に使用される毒餌もホームセンターやAmazonで購入できます。

また施工に関しても地中に埋めるだけで非常に簡単です。

しかし、シロアリが通る場所に設置する必要があるため、自分(DIY)では確実性が低い可能性があります。

 

予防や駆除を自分(DIY)で行う最大のメリットは安価で済むという点です。

しかし、確実な予防や駆除が行えない可能性があるという点と、保証が付かないというデメリットもあります。

予算や症状と相談しながら自分(DIY)で行うか、専門業者に依頼をするのかをしっかり判断することがお勧めです。

 

おすすめのシロアリ業者はこちら!価格や施工内容で比較!

最後にいくつかお勧めのシロアリ業者を紹介致します。

 

・株式会社サンキョークリーンサービス

1997年設立の害虫駆除専門の業者です。

完全自社施工という安心なサービスを提供しております。

まずお勧めのポイントは、有資格者の調査点検が無料という点です。

まずは調査点検をすることで、現状の床下がシロアリの被害に遭っているのか、シロアリが住み易い環境なのを調査してくれます。

その調査結果でどのような工事を依頼するか相談することが出来ます。

 

施工単価は、シロアリ予防の場合\6,600/坪で、シロアリ駆除の場合は\7,260/坪です。

施工方法は、予防消毒剤の散布、殺虫剤の散布、ベイト工法と様々な工法に対応しておりますので、ご自宅の症状や環境によって選択することが可能です。

また、施工後には5年間の保証が付きます。

さらに1,3,5年目と定期点検も無料でついています。

年中無休で営業しているという点も、いざというときに非常に心強いです。

 

・株式会社アサンテ

1970年設立で東証一部上場の大手企業です。

56万件以上の圧倒的な実績を持つ会社です。

床下の無料調査だけでなく、床下の状況が見られるような写真付き報告書の作成まで無料で行ってくれます。

さらに下請けへの発注は無く、自社専属の社員での安心施工という高サービスです。

施工後5年間の保証だけでなく、年1回の無料定期点検もついてきます。

シロアリ対策の全国シェアNo1も納得のサービスを受けられる業者です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

シロアリの被害に遭ってしまった住宅は耐久性を失い、最悪の場合は倒壊してしまう恐れがあります。

住宅は一生モノとなる非常に大切なモノです。

そんな住宅をシロアリから守るのに必要なのは、しっかりとしたシロアリに対する知識です。

シロアリの生態を知ることで住宅をシロアリから守りましょう。

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