床下点検・検査

そもそも床下の基礎って何?

床下の基礎は家を支える土台

床下の基礎とは、建物を地盤に固定する土台部分のことです。

皆さんのお宅は、常に風にさらされているし、時には地震に襲われることもあります。

床下の基礎はそれらの衝撃を地面に逃がし、建物の安定を保つという役割を担っています。家の基礎というのは文字通り家の土台となる重要な部分です。

例えば、基礎にひび割れ(クラック)が入った場合、倒壊のリスクも飛躍的に高まります。倒壊には至らないまでも、家が傾き、窓が開けづらいといった不具合が生じる可能性もあります。

また、ひび割れから湿気が入り込むことで、シロアリの発生、カビによる健康被害などが懸念されます。

皆さんが健康寿命を延ばすべく健康に良い食品やサプリメントを摂るように、基礎補強はあなたの家を守るために必要不可欠と言えるのではないでしょうか。

今回はそんな床下の基礎の種類や、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説していこうと思います。

床下の基礎はベタ基礎、布基礎、杭基礎の3種類

床下のベタ基礎について

基礎補強、ベタ基礎

ベタ基礎の写真

床下のベタ基礎とは、立ち上がり部分だけではなく、底板一面が鉄筋コンクリートで覆われている基礎のことです。イメージとしては地面にふたをしているような感じでしょうか。

大きなメリットとしては

  • 床下となる部分までしっかりと鉄筋が配されているので、耐久性に優れている。
  • 地面から湿気が上がってくるのを防げるので、シロアリが地面から入ってくることを防止可能。

という2点が挙げられます。

これらのメリットから1990年代後半以降、ベタ基礎を採用するお宅が徐々に多くなり、現在ではほとんどの新築住宅でベタ基礎が用いられています。

一方、デメリットとしてはコンクリートや鉄筋の使用量が多くなるので、どうしてもコストが高くなってしまいがちです。

後述する布基礎とは1立方メートルあたり2万円の価格差があります。たとえば20立方メートルの基礎を組む場合、およそ40万円の差が出てしまいます。

また、基礎自体に重量があるので、軟弱地盤の土地では建物自体が沈下してしまう可能性があります。

床下の布基礎(連続フーチング基礎)について

基礎補強、布基礎

布基礎の写真

布基礎とは、連続フーチング基礎とも呼ばれ、底板一面をコンクリートで覆うのではなく基礎を点で支える施工方法のことです。

画像を比較していただくと分かるように、布基礎は底の部分の土が露出しています。

メリットはベタ基礎に比べて、かかる費用が抑えられることが挙げられます。

また、基礎の立ち上がりがベタ基礎より高く、上からの重さに強い性質があるので、鉄骨のプレハブ住宅では布基礎が用いられることが多くなっています。

そのほか、布基礎には地面との接地面積が大きく、力が分散されやすいため、不同沈下(家が均等に沈下するのではなく一方向に偏って沈んでしまうこと)が起きづらいという利点もあります。

不同沈下は日常生活に悪影響を及ぼします。

例えば、ドアや窓の鍵が閉まらなくなる、気密性が損なわれエアコンの効きが悪くなる、雨や風が吹き込む、といった具合です。

雨が吹き込めば、家の腐食が進み、地震などに対する耐久性にも問題が生じます。

床下の布基礎はそれらの不具合を未然に防いでくれます。

一方、布基礎のデメリットは湿気に弱く、シロアリの侵入を許してしまう可能性がある点です。

床下の杭基礎について

基礎補強、杭基礎

杭基礎のイメージ

床下に杭基礎が使われるのは、厚い盛土、斜面の盛土、地盤沈下地帯、液状化現象を起こしやすい地盤、10メートル程度下までに硬い地盤があるケースなどです。

軟弱な地盤の場合、浅い基礎では建物を支えることができないので、深く杭を打ち込み、建物を支えるために杭基礎が用いられます。

杭として用いられる素材は木、コンクリート、鋼などとなっています。

杭基礎のメリットとしては、家屋の沈下防止に役立つほか、地震が起きた際には基礎の破壊や家屋の傾斜を防止します。

ただし、軟弱な地盤の層が深くにまで及んでいる場合は、長い杭が必要となり、費用もかさんでしまうので、おすすめできません。

床下の基礎は用途や地盤の種類によって選択しよう

ひと口に床下の基礎と言っても、用途や地盤の種類によって、さまざまな種類の工事がおこなわれることが分かったかと思います。

ベタ基礎と布基礎で比較した場合、一般に前者の方が強度のうえで勝っています。

ただし、先述のとおり、布基礎には不同沈下が起こりづらいという利点もあり、ベタ基礎と布基礎、どちらが優れているかは一概には言えません。

また、地盤が固い地域であれば布基礎でも十分なので、わざわざ高いお金を使ってまでベタ基礎の工事を行う必要はありません。

業者さんと綿密に打ち合わせをしたうえで、工事方法について決めていくのが重要と言えるのではないでしょうか。

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