住宅の耐久性に甚大な影響を与えるシロアリ。

大切な住宅をシロアリから守る為には、予防消毒や駆除などの対応が必須事項です。

しかし予防消毒や駆除を行う上で心配なのは、薬剤が人体やペットなどの健康へ影響が無いのかという点です。

この記事では、妊婦や赤ちゃん、犬や猫(ネコ)、予防や駆除に使用する薬剤の被害について解説致します。

 

シロアリ駆除・予防消毒薬剤の健康への影響は?

シロアリの予防消毒や駆除には薬剤が使用されます。

そういった薬剤は人体やペットなどにはどのような影響があるのでしょうか。

 

現代、多くのシロアリ業者が使用する予防消毒剤や駆除剤は、少なからず人体に影響を与えることがあるといわれております。

例えば、薬剤が皮膚に触れることでアレルギー反応を起こしてしまったり、薬剤を吸い込んでしまうことで吐き気やめまいを起こしてしまったりなどです。

成人であればある程度免疫がついている為、症状は起こり辛いといわれております。

 

影響を受けやすいといわれているのは、赤ちゃんや妊婦です。

赤ちゃんへの薬剤の影響は?

赤ちゃんは成人と違い、あらゆる菌に対しての免疫力が低いです。

その為、空気中に蔓延した微量な薬剤でも吸い込んでしまうことで、嘔吐や咳といった症状が出てしまったり、肌のかぶれや赤みといったトラブルも発生します。

さらには喘息になってしまったり、脳の発達への影響が出る恐れもあります。

妊婦への薬剤の影響は?

次に妊婦です。

妊婦は、自身の身体だけでなく、お腹にいる胎児への影響も大きいため注意が必要です。

妊婦は食べたものや飲んだもの意外にも、体内に入れたものは胎児へ影響を与えます。

その為、薬剤を吸い込んでしまった場合も胎児へ影響を与えてしまいます。

微量の薬剤でも胎児には刺激が大きく、脳の発達などに影響を与える恐れがあります。

また、妊婦は自身の身体もデリケートな状態になっています。

本来成人は影響を受けづらいといわれていますが、めまいや吐き気などの健康障害が出てしまう恐れがあります。

ペットへの薬剤の影響は?

次にペットです。

シロアリ予防や駆除に使用する薬剤は、昔に比べて害が少ない成分を使用した物へと進化をしてきています。

しかし、あくまで人体に対して害が少ないという成分なので、ペットには影響を与えることがあります。

ペットの場合は空中に散布した薬剤を吸い込むだけでなく、施工箇所を直接舐めてしまったりする恐れがあります。

また、嘔吐やめまいなどの症状が出ても気が付くことが難しく。気が付けば症状が悪化しているといったことも考えれられます。

 

使用する薬剤の種類について

シロアリの予防消毒や駆除にしようする薬剤は様々な種類があります。

代表的な薬剤をいくつか紹介致します。

 

ネオニコチノイド系

現代ではシロアリの駆除剤として主流になっている成分です。

シロアリ駆除だけでなく、様々な害虫への殺虫剤や、農薬などにも使用されています。

また環境への悪影響も指摘されており、海外では一部使用規制が進んでおります。

 

ホウ素系

防虫剤などにもよく使用される天然成分です。

海外ではシロアリ駆除に使われる一般的な成分です。

効果の持続力が高く、哺乳類にとっても安全な成分で、安価で手に入るというメリットがあります。

しかし、薬剤としての即効性がやや低いというデメリットもあります。

赤ちゃんやペットにも影響はほぼありませんが、過剰摂取をしてしまうと悪影響を与える可能性もあります。

 

ピレスロイド系

即効性に優れており、シロアリを寄せ付けないようにする成分を持っています。

しかし人体への影響はやや強めで、目に入ると痺れや痛みを感じることがあります。

 

カーバメート系

シロアリなどの神経を刺激し興奮状態にする事で、呼吸障害を引き起こし駆除するという効果があります。

人体の影響も強く、使用する際には換気が必須となります。

 

ヒノキチオール系

化粧品や育毛剤にも使用される成分です。

人体の影響が少ない安全な成分です。

シロアリを寄せ付けない効果がありますが、あまり効果は期待できない可能性があります。

 

ヒ素

昔はシロアリ駆除に使用されていた成分です。

ヒ素はかなり強力な成分で、極僅かな量を散布するだけで、永久的に効果を持続できるといわれておりました。

しかしその強力さは人体へも影響を与えることが多く、現代ではヒ素の使用は禁止されております。

 

このようにシロアリの予防や駆除には人体に与えることがある成分が多く使用されております。

しかし、日常使用する、ゴキブリの殺虫剤などにも同じような成分が使用されております。

その為、シロアリに使用する薬剤が特別害があるというわけではありません。

 

また、シロアリの予防消毒や駆除は、基本的に住宅の床下で施工を行います。

その為、薬剤の成分は床下から上がってくることは少なく、施工時に立ち会わないようにすれば比較的安全であるといえます。

赤ちゃん、妊婦、ペットがいる家族は、施工時には外出をするなどの対応を行えば安全に施工が行えるでしょう。

 

影響が出ないようにする方法とは

使用する薬剤が昔に比べて安全になったとは言え、人体に与える影響が全く無いわけではありません。

その為、薬剤の使用に抵抗がある人は薬剤を使用しないという方法もあります。

 

シロアリ予防消毒の場合

シロアリ予防は消毒液を散布することだけではありません。

他にもシロアリの好む環境を撤廃することで、シロアリが住みにくい環境を作ることが出来ます。

シロアリが好む環境は、「暖かい・光が無い・湿気が高い・気温が高い・風通しが悪い」です。

それらを解消する為に、床下換気扇を設置することで強制的に換気を行い、高温多湿にならない環境を作ることも出来ます。

薬剤を一切使用しない方法なので、人体には安全な方法ですが、消毒剤散布に比べて予防効果は薄いというデメリットがあります。

 

シロアリ駆除の場合

ベイト工法という工法では、薬剤を一切散布しません。

ベイト工法とは地中にシロアリのエサとなる毒餌を設置する工法です。

その毒餌をシロアリが巣に持ち帰ることで、巣の中にいるシロアリも全て駆除を行うことが出来ます。

人体に影響がないだけでなく、環境にも優しい工法ですが、即効性が低いというデメリットがあります。

 

まとめ

シロアリの予防消毒や駆除は、大切な住宅を守る上で非常に重要です。

しかし、人体に影響を与えてしまうこともあるため、施工を行う際には工法をしっかりと考え、家庭環境に合わせた工法を選択してください。

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