床下エアコンとは、「床下から各部屋に設置された吹き出し口へ快適な空気を送る空調システム」のことです。

お家を建てる際に、全館空調にしようか、床暖房を設置しようか検討される方も多いかと思います。

この記事ではいくつかある空調システムの中でも、市販のエアコンも使用できるため、コストをあまりかけない「床下エアコン」について解説しています。メリットやデメリット、設置する際に気を付けることをひとつずつご紹介していきます。

床下エアコンとは壁ではなく1階~床下に設置される空調システムのこと

床下エアコンはご存知でしょうか?

床下エアコンって普通のエアコンと何が違うの?と思うかもしれません。

通常エアコンは、壁に設置しますが、床下エアコンの場合は1階~床下にかけて設置し、家全体を温度管理する空調システムのことです。

床下エアコンをつけることで得られるメリットがあります。

床下エアコンは輻射熱で部屋を暖める

床下エアコンって普通のエアコンと何が違うの?と疑問を持つ方もいると思います。

床下エアコンとは、本体自体は普通のエアコンと同じものですが、1階~床下にかけて設置されます。

普通のエアコンは各部屋の壁に設置してお部屋を暖めます。

通常エアコンは1部屋ごとに設置してお部屋を暖めますが、床下エアコンは床下からエアコンの風を各部屋に送らせる方法となっています。

そのため床下エアコンは1台でおうち全体を暖めることができます。

床下エアコンは、輻射熱で部屋を暖める方法となっています。

輻射熱とは、簡単に言うと、高い熱が低い熱側に移動していく熱移動のことです。

床下エアコンのメリットとは?

床下エアコンを導入するメリットは

  • 市販のエアコンだからコストが安い
  • 風が直接当たらない
  • 吹き出し口をつくることで場所を選ばず風を送れる
  • 修理がしやすい

となります。

床下エアコンは市販のエアコンだからコストが安い

空調設備や床暖房などを導入すると費用がそれなりにかかってきます。

その費用と比べると、床下エアコンは家電量販店に販売しているエアコンを使いますので初期投資を安く抑えることができます。

床下エアコンは風が直接当たらない

床下エアコンは、床下に風を送り、お部屋を暖めていきますので、通常壁に設置するエアコンのように風が直接体に当たることはありません。

風向きによりますが、風がずっと体に当たることに不快を感じるなどの心配は床下エアコンの場合ありません。

床下エアコンは吹き出し口をつくることで場所を選ばず風を送れる

床下エアコンを導入したときに、各部屋に吹き出し口を設けることでお部屋全体に風を送ることが出来ます。

壁に設置するエアコンの場合は、1部屋に一台のエアコンがその部屋だけを暖めますが、床下エアコンの場合はお部屋全体に風を行き渡らせることができます。

床下エアコンは修理がしやすい

空調設備や床暖房の場合は、一般の家電量販店などで購入することができません。

建築会社に頼まないと導入できない設備ですので、設備メーカーや施工会社に頼む必要があります。

床下エアコンで使用するエアコンは、一般の家電量販店で販売しているものですので、町の電気屋さんでも対応できます。

床下エアコンのデメリットとは?

床下エアコンのデメリットは

  • 冷房の効きが悪い
  • 高温多湿になるとカビやシロアリ被害が起きる
  • メーカー保証はない
  • 床下エアコンの後付けは現実味がない

となります。

床下エアコンの冷房の効きが悪い

暖房で使用する時は効率が良いのですが、冷房の場合は効果が悪いです。

冷たい熱は重いので、お部屋の下の方に溜まってしまいます。

そのため冷たい風がお部屋へ行き渡らず、通常の壁掛けエアコンに比べて効率が悪いです。

高温多湿になるとカビやシロアリ被害が起きる

床下断熱を導入するために基礎断熱が必要となります。

基礎断熱にすることで熱が外に逃げにくくなるのですが、温風だと湿度が高まりカビやシロアリ被害の原因になります。

また、室内の温度と床下の温度に差が出来てしまうと結露が起きる可能性がありますので、温度設定には注意が必要です。

メーカー保証がない

床下エアコンで使用したエアコンは、基本的にメーカー保証ができないと思っていた方が良いでしょう。

メーカー側も床下にエアコンを設置することを想定していません。

もし機械の故障が起きた場合は、修理が有料になるか機械を交換することになると思います。

また、人によって違いますが、床下エアコンの稼働時間を考えると通常の壁掛けエアコンより負荷が多いのではないかと思われます。

床下エアコンの後付けは現実味がない

床下エアコンを導入するのに必要なのが、基礎断熱工法を取り入れている家であることです。

家が基礎断熱であるのなら良いのですが、基礎断熱でないなら床をすべて剥がして基礎が見える状態にまでしないと基礎断熱にすることが出来ません。

暖房目的で考えているのであれば、床暖房を導入する費用の方が安いでしょう。

床下エアコンをつけたいという方は、新築時に取り入れることをおすすめします。

床下エアコン設置条件と気を付けること

床下エアコンを設置する時に気をつけることは

  • 基礎断熱工法が必要
  • 基礎断熱をするとシロアリ被害に合う可能性がある
  • 設置個所が適切でないと全体に行き渡らない

となります。

基礎断熱工法が必要

床下エアコンをつける場合は、家を基礎断熱にしないといけません。

なぜなら、断熱がされていない基礎は熱が外に行ってしまい効果が悪くなるからです。

床下エアコンを設置するには、基礎断熱と気密性のある家が求められているのです。

例えば、冬の季節で外は寒く床下が温かい場合、外の冷気が床下に侵入してきて床下を冷ましてしまいます。

外の温度を伝わりにくくする基礎断熱工法があることで、床下エアコンの効果が出ます。

基礎断熱をするとシロアリ被害に合う可能性がある

床下エアコンをつける場合は、基礎断熱工法が必要だと上記でお伝えしました。

しかし、礎断熱工法にすることで熱がこもりやすくなってしまいます。

元々基礎断熱工法は、寒冷地で開発された工法です。

乾燥しやすくシロアリが少ないので床下エアコンを取り入れるのに適した地域になります。

寒冷地などシロアリが少ない地域なら良いですが、それ以外の地域だと床下が多湿にならないように注意する必要があります。

設置箇所が適切でないと全体に行き渡らない

床下エアコンをつける時に気をつけなければならないのが設置する場所になります。

設置する場所が良くないと、上手く風が行き渡らなくて効率が下がります。

床下エアコンを設置する時は、施工業者とよく打ち合わせを行ってください。

床下エアコンは低コストで設置できるのでおすすめ!

床下エアコンについてご説明してきました。

床下エアコンのメリットは、エアコン1台で各お部屋を暖めることが出来るということです。

デメリットや注意することがありますが、暖房設備を設置する費用としてはコストがかからない方法だと思います。

床下エアコンをつけたいという方は、今回の記事が参考になったら嬉しく思います。

まとめ

・第1章まとめ

床下エアコンとは、1階~床下にかけて設置する空調システムのこと。

・第2章まとめ

床下エアコンは、床下から輻射熱で各部屋を暖めます。

輻射熱とは、高い熱が低い熱側に移動していく熱移動のことで、エアコン1台で賄います。

・第3章まとめ

床下エアコンを導入するメリットは、

  • 市販のエアコンだからコストが安い
  • 風が直接当たらない
  • 吹き出し口をつくることで場所を選ばず風を送れる
  • 修理がしやすい

・第4章まとめ

床下エアコンのデメリットは、

  • 冷房の効きが悪い
  • 高温多湿になるとカビやシロアリ被害が起きる
  • メーカー保証はない
  • 床下エアコンの後付けは現実味がない

・第5章まとめ

床下エアコンを設置する場合の注意点とは、

  • 基礎断熱工法が必要
  • 基礎断熱をするとシロアリ被害に合う可能性がある
  • 設置個所が適切でないと全体に行き渡らない

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