生命遺体や老廃物などから有機物素材を栄耀として吸収する腐朽菌。

腐朽菌に栄養を取られてしまった生命遺体は腐ってしまいます。

また、腐朽菌の種類の中に、木材腐朽菌という木材を腐らせる菌も存在します。

木材が腐るとシロアリなどの災害にも繋がります。

ここでは、住宅の木材を腐食から守る為に、腐朽菌対策について紹介致します。

 

腐朽菌の種類や木材腐朽菌とは?

腐朽菌(ふきゅうきん)という言葉はあまり聞き馴染みが無いかもしれません。

腐朽菌とは生命遺体や老廃物などから、有機物素材を栄耀として吸収する菌です。

 

腐朽菌の中には木材に含まれる難分解性のリグニン、セルロース、ヘミセルロースを分解することが出来る木材腐朽菌という種類があります。

木材腐朽菌が繁殖すれば木材から栄耀を吸収することで木材を腐食させてしまいます。

 

木材腐朽菌にはいくつかの種類があります。

 

白色腐朽菌

白色腐朽菌は木材中のリグニン、セルロース、ヘミセルロースの全てを分解する能力があります。

リグニンを分解した後、セルロース、ヘミセルロースの色である白色に変色させることから、白色腐朽菌と呼ばれております。

白色腐朽菌の特徴は、他の木材腐朽菌に比べ寒さや直射日光に強く、寒暖差が激しく乾燥している環境でも繁殖することが出来るという点です。

また、白色腐朽菌によって腐食した木材は白くなるだけでなく、表面が繊維状にほつれ、小さな穴がたくさん空くことがあります。

 

褐色腐朽菌

褐色腐朽菌は木材中のセルロース、ヘミセルロースを分解する能力があります。

栄養を取られた木材は褐色色に変化することから、褐色腐朽菌と呼ばれております。

褐色腐朽菌の特徴は、セルロースを分解した後に水分を作り、木材の含水率を調整することができます。そうして自ら繁殖に適した条件を作りだしていくのです。

また、住宅の建築材として多く使用される杉などの針葉樹を好み繁殖します。

褐色腐朽菌により腐食させられた木材は褐色色に変化するだけでなく、亀裂が発生し、表面が粉状にボロボロになります。

 

軟腐朽菌

軟腐朽菌は木材中のリグニン、セルロース、ヘミセルロースの全てを分解する能力があります。

含水率100%以上の木材を好み、白色腐朽菌や褐色腐朽菌が活動できないような高含水率の木材で活動が出来るという特徴があります。

軟腐朽菌により腐食させられた木材は、表面が軟化して黒く焦げたような見た目になります。その後、木材が乾燥した際にひび割れが生じてしまうという影響を与えます。

白色腐朽菌や褐色腐朽菌に比べると分解力は弱い木材腐朽菌です。

 

以上のように木材腐朽菌にはいくつかの種類があり、繁殖に適した条件や、木材に与える影響はさまざまです。

また、日本の木材腐朽菌の90%以上は白色腐朽菌といわれております。

 

木材腐朽菌が発生する原因や場所について

木材腐朽菌が繁殖するには、適度な水分、20~30℃の高温度、酵素、栄養分があること、湿度85%以上、木材含水率が20%以上という条件があります。

栄耀はリグニン、セルロース、ヘミセルロースという木材に含まれる栄耀です。

これらの条件を満たした高温多湿の場所が、住宅の水廻り付近や、屋根裏付近といった場所です。

それらの場所は風通しも悪く高温多湿の環境になり易い為、木材腐朽菌にとって繁殖するには絶好の場所ということです。

 

では繁殖以前に、木材腐朽菌はどのように発生するのでしょうか。

発生するにもいくつかの条件があります。

栄養があること、温度がある、水分がある、空気があるの4つです。

栄養はリグニン、セルロース、ヘミセルロースと木材の主成分になるものです。

温度は3~45℃温度で発生し、30℃前後が繁殖に適した温度となります。

3℃以下の低音では発生がし辛いといわれております。

また、空気があるところでしか発生しないため、水中の木材には発生することがありあせん。

 

シロアリと木材腐朽菌の関係性について

木材腐朽菌は住宅の木材を腐食させることで、住宅に様々な影響を与えます。

腐食した木材は強度を失い耐久性を失ってしまいます。

その結果、耐震性の低下に繋がります。

他に、シロアリとの関係性です。

木材腐朽菌とシロアリは発生条件が共通しています。

高温多湿、空気がある、木材がある、日差しが無いといった条件はシロアリが好む環境です。

その為、木材腐食菌の繁殖や活動被害と、シロアリによる被害は同時進行することがあります。

 

木材腐朽菌の予防とは?

木材腐朽菌は発生、繁殖し辛い環境を作る事で予防を行うことが出来ます。

しかしシロアリ予防と違い、専用の消毒薬剤などがある訳ではありません。

その為、発生、繁殖し辛い環境を作るしかありません。

 

木材に水を含ませない

木材腐朽菌は含水率20%以上と水分を含んだ木材に発生します。

その為、木材に水分を含ませないということが非常に効果的な予防方法です。

住宅の床下や屋根裏などの木材に水分が含まれるのは、雨漏れなどの自然災害や、配管老朽化による水漏れなどです。

豪雨や台風などの後には雨漏れが発生していないかを注意深く確認することや、屋根に異常が無いかなどの点検を行い住宅を守りましょう。

 

換気を行う

木材腐朽菌は高温多湿を好みます。

それらを解消するのが換気です。継続的に換気を行うことで湿度向上、温度向上を抑えることが出来ます。

では床下や天井裏はどのように換気を行うのでしょうか。

住宅の構造上、天井裏や床下はある程度空気が循環するように設計されております。

しかし自然換気ではあまり効果が期待できません。

その為、換気扇を設置し強制換気を行うという方法が非常に効果的です。

専門業者に依頼をすると短時間で設置を行うことが出来ます。

 

また、木材腐朽菌の対策を行うということは、シロアリの発生を予防するということにも繋がります。

木材腐朽菌、シロアリから大切な住宅を守る為にも予防はしっかりと行いましょう。

 

まとめ

木材腐朽菌の繁殖や活動は、普段目にしない部分で行われております。

知らず知らずの間に住宅の木材が蝕まれて強度を失っていくということは恐ろしい症状です。

そのような事態を招かない為にも、しっかりと予防対策を行い、大切な住宅を木材腐朽菌から守ってください。

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