住宅の基礎となるコンクリートのひび割れは、基礎の耐久性に影響を与えお家の傾きや外壁のクラックなど様々な2次被害が発生します。それ以外にも雨水の進入による床下の漏水、シロアリの侵入などもあります。

そのため、コンクリートにひび割れが発生してしまった場合は、きちんと補修を行う必要があります。

ここでは、基礎コンクリートにひび割れが発生してしまった場合の補修方法や、補修材料などについて紹介します。

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基礎コンクリートのひび割れ・補修や防水方法について

コンクリートは打設時の初期硬化にあたり乾燥収縮によるひび割れ(クラック)がどうしても発生してしまうものです。外壁や基礎など場所を選びません。

また、長い期間においても様々な要因からひび割れが発生してしまいます。その要因についていくつか解説していきます。

・乾燥収縮

コンクリートは水分を保った状態で型に流し込み、水分を蒸発させ乾燥することで強度を持ちます。その水分が蒸発する過程で、乾燥伸縮を繰り返す為、耐え切れずに表面にひびが入ってしまいます。また、ひび割れから水分を吸収し、再度蒸発を繰り返すことでひびが大きくなることもあります。 

・気温の変化

コンクリートは気温の上昇、下降で伸び縮みする性質を持っています。その伸び縮みの際にひび割れが発生することがあります。 

・不同沈下

住宅が建っている環境の地盤が悪い場合に発生する現象です。地盤沈下などで住宅が傾き基礎に掛かる負荷が一定にならず、付加が大きく掛かる部分にひび割れが発生するという現象です。 

・その他負荷が掛かる

他にも大型地震などで直接的に負荷が掛かる場合にもひび割れが発生することがあります。

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ひび割れを放っておくと、さらに広がり大きなクラックに繋がる恐れがあります。コンクリートのひび割れは補修をする事で強度を保ち直すことが出来ます。

ひび割れを大きくしない為、美観を保つ為にも、ひび割れが発生した際には補修を行ってください。 

基礎コンクリートの防水・補修方法

では実際にコンクリートはどのような工法で補修をするのでしょうか。補修方法は状況に応じて使い分けをしており、いくつかの工法があります。 

・カットシール工法

引用:https://www.cemedine.co.jp/

カットーシール工法はコンクリート補修の代表的な工法です。コンクリートのひび割れ部分に対し、研磨工具で広めに溝を掘ります。

その溝にシーリング材・エポキシ樹脂を充填し、表面をモルタルで整えるという工法です。ひび割れの奥まで補修材を注入できる補修方法です。表面を仕上げることが出来る為、防水効果が期待できます。 

・ビックス工法

引用:https://www.k-mil.net/

ひび割れに対してエポキシ樹脂(補修材)を流し込むという非常にシンプルな工法です。揺変性がある中粘度の樹脂を使用することで、僅かなひび割れに施工をしても液剤が流れ落ちてしまうという心配がありません。 

・ハイブリッド工法

宇宙船や光ファイバーなどに使用され、鋼鉄の約5倍の強度を持つアラミド繊維シートと、揺変性があるエポキシ樹脂を重ねて施工を行うというハイブリッドな工法です。

補修が行えるだけでなく、耐震性の向上が期待できるという点から、公共施設の工事などでも採用されている工法になります。 

以上の工法は、専門業者による補修工事の際に使用される工法になります。予算を抑えたい場合、ひび割れが軽度であれば自分(DIY)で補修を行うことが出来ます。

自分で行う場合、おすすめの補修方法は以下になります。

・パテ埋め

シンプルで簡易的な工法で、コンクリート補修材パテでひび割れを埋めるという工法です。

・液体補修材

他にも簡易的な方法として、コンクリート補修液をひび割れ部に流し込むという方法があります。乾燥に少し時間が掛かりますが、ひび割れ、小さな亀裂にも対応が出来るというメリットがあります。

基礎の立ち上がりに使用するのは垂れてしますので難しいですが、駐車場や土間などのひび割れには適していますし、とても簡単に補修もできます。

 

この2つの方法は自分(DIY)で簡易的に行える工法ではありますが、軽度なひび割れには十分対応できる工法です。また、材料はAmazon、モノタロウ、ホームセンターなどで市販されており、簡単に手に入れることが出来ます。 

コンクリートの補修材料は何を使ったらいい?

コンクリートの補修に使用される材料は、モルタル、シール材、エポキシ樹脂、アラミド繊維などが一般的です。 

・モルタル

モルタルはひび割れを埋めるなどの補修材として使用されることが多いです、補修後の美観を保つ仕上げ材としても使用されます。 しかし、モルタルはひび割れがある表面に被せるだけの一時的な処置のため、再度ひび割れが発生してきますのであまりおススメできません。

・シーリング材

シーリング材はカットシール工法で使用される補修剤です。浴室や、洗面所などで使用される目地材とほぼ同じものを使用します。ゴムのように伸びるという弾性を持つシーリング材は、揺れなどにも対応できるという性質を持っています。

しかし、約10年程度で乾燥による劣化が起こりますので、ひび割れの具合によって、エポキシ樹脂との組み合わせで施工をしていくと良いでしょう。

・エポキシ樹脂

エポキシ樹脂は、樹脂の中でもトップクラスの接着剤を誇っています。また揺変性があり中粘度ということから、コンクリートの補修材としてはかなり適した性質をもつ補修材です。 

また、樹脂の特性上一度塗布をすると施工した箇所については、半永久的に保つことができるという優れものです。モルタル、シーリングなどでやり替えを考えるとエポキシ樹脂で施工を行った方が経済的です。

・アラミド繊維シート

タイヤや光ファイバーなどにも使用され、鉄の約5倍の強度を誇るアラミド繊維。コンクリートの補修だけでなく、補強の効果を与えることが出来る素材です。

アラミド繊維単体で使用されるのではなく、モルタルと併せたり、エポキシ樹脂と併せたりとして使用される素材です。 

ブロック基礎の場合でも使用可能?

門塀などに使用されることが多いブロック基礎。ブロック基礎もコンクリート基礎同様にひび割れが入ったりすることがあります。

また、コンクリート基礎同様で、ひび割れが発生した場合には補修・補強を行わないと劣化が広がる恐れがあります。 

小さなひび割れ程度であれば、コンクリートのひび割れと同様の工法で補修を行うことが出来ます。

しかし、ブロックはコンクリートに比べ強度が弱いため、ひび割れが大きく劣化が酷い場合にカットシール工法などを行うのは、ブロックの一部崩壊に繋がる恐れがあるので注意して下さい。 

まとめ

コンクリートのひび割れを発見した場合、住宅の崩壊に繋がるなど恐ろしいイメージを受けてしまうかもしれません。

ひび割れが進行してしまう前に、自分(DIY)で簡易的に補修することが出来るので、ひび割れを発見した際にはなるべく早く補修などの対応を行ってください。

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